index < 日誌 < x光の中< 「間接光C」 p6/


 
2、内面。



だからこの太陽の光から方向性が消えるということは、不思議で不可解なことであって、それはあってはならないことで、だからまた、それは夜の月明りや、キリの中や、夢の中にしかないものなのである。

それは一時的であるし、ごく限られた狭い地域的な範囲を超えることがないのである。あるいは非現実、非日常の観念の中だけの世界なのである。自分だけの閉じた主観的な思い込みの世界のように思えてくるのである。

だからまた、不可解でもあるし不思議な感じがしてくるのである。夢の中の世界がそうである。何か言い知れぬ異和感を覚えるのである。まやかしと作りものの空想の世界のように思えてくるのである。際限のない疑惑の念を抱いてしまうのである。

太陽の光、その直射光は変化の目印し、その示標なのであって、これを基準にして生活のサイクルは変化をくり返して来たのである。だから、その変化の方向性といったもの、外から自分を射してくる直接光のない世界といったもの。影の無い世界、どこまで行っても、いつでもどこでも自分の方を向いている世界といったもの。

それが間接光の世界なのである。それは、前も後ろも、相手も自分も、その区別がハッキリしない世界である。

戻る。             続く。

index < 日誌 < x光の中< 「間接光C」 p6/