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自然の世界に見る「色」は、草花などの植物の色のことのように思える。たしかに空は青、雲は白、土は茶色、水はほぼ透明な水色であって、たしかに「色」が付いている。しかしそれは年中変わらない、いつでもどこでもそういう色なのであって、当たり前で当然の気にもならない「色」である。 ところが草花や枝葉は違う。それは年中を通して変化し、移行し続けている。そして際立っている。それは、外の世界に対して活発に反応しているのである。その「色」の多彩さや鮮やかさ、豊かさやコントラストにおいて、やはり地面や空を圧倒しているのである。というのは、山野を彩る色の方向や傾向、そして主(おも)なる色の諧調を支配しているのは、この草花と枝葉、つまり植栽という生き物の色だからである。 そしてまた、山野を覆うこの生き物たちの色の変化とともに、人間のライフスタイルやサイクルもまた、それに連動して変化をくり返し移行して行くのである。それはまた、人間の感覚の感じ方や、肉体の生理、情緒や感情にも密接に結びついていて、それを規制している様々な要素の一つでもある。 もしかすると、人間は、このような実際的で現実的な必要から「色」というのを認識し始めたのではないだろうか。 |