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例えば、感情の「うるおい」というのがそうである。それは、乾燥した砂漠の民や、凍てつく極寒の民には見られない感情の特性なのである。もちろん、見える色だけで人間の感情がそうなるとは、到底言えないのであるが、要は、そうした様々な要素が複雑に絡み合った結果として、感情の傾向や特性といったものが規制され、定められてゆくのである。あるいは、その生理や神経、情緒の傾向といったものが方向付けられて来たのではないだろうか。 だから、変化の「色」といっても、そうした様々に絡み合う、数ある要素の中の一つに過ぎないのである。しかしまた、確かに、その要素の一つでもあるのである。 「色」だけで、人間の感情や感覚が規制されるというのは、到底言えないことなのであるが、むしろそれは、論理が逆さまなのである。原因と結果が反対になっている。人間の現実の生活や感情といったものが、色をしてそのようなものとして見せているのである。 もっと正確に言うと、人間の暮らしと生き方の中から、色彩というのが発見され、あるいは感覚として生み出され、特定されて来たのである。それは人間の必要から生まれてきたものなのである。そうやって、「色」というのが特定され、方向づけられ、そしてまた、感覚としてパターン化してきたのである。 |