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10、再構成。



それは人間自身が持つ内的必然性であって、自律する精神の内的鼓動のリズムなのである。新たなタイプの人間、ないし、新たな民族の誕生の瞬間なのである。人間というのが、それまでとは別の、なにか異質のタイプの人間になってしまったのである。

人間のモデルとでもいったものが根本的に変わってしまったのである。そしてこの新しい異質なモデルといったものが、それ以降、標準化してゆくのである。一般化し共通化してゆくのである。社会の共有意識となってゆくのである。

そして、自分の精神の中でそれに気づき、発見し、確かめているのである。そしてまた、目の前の現実の自然の中にそれを見ているのである。現実という、目に見える自然というのが、それまでとは全く別の意味をもって人間に迫ってくる。

まったくその通りで、現実の自然いうのが、そしてまた、自分自身を取り囲む世界というのが、それまでとはまったく別の意味と理由を持つに至ったのである。人間と自然との関わり方といったものが根本的に変わってしまったのである。

そして、そこで生きる人間と自然とのかかわり方の必然性や原理といったものが、人間の観念の世界の中で、新たな意味と理由の下に再構成されるのである。

戻る。             続く。


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