index < 日誌 < z自意識< 「だれ?」p3/ |
僕はずっと、ずっと僕であり続けた。それでも、いつかどこかで、自分が気づかないままで、なにか自分にとって、とっても大切なものを見失い、忘れてきたのではないかと、ふとそんな思いが胸の中をよぎるのである。そして、いつの間にか、それに気づくことも無くなって行くのではないかと思えて来て、そんな自分がとっても恐ろしく、苦しく、自分が自分でなくなってゆく、そんな気がしてくるのである。 自分の中で、なにかとっても大切なものが見失われ、忘れられ、消えている。欠けていて、ぬけ落ちていて、ズレて、きしんで、歪んでいて、それさえも、自分で気づかなくなって行くのではないか、そんな気がしてくるのである。自分が自分でなくなっている。僕の肉体の中から、僕というのが忘れられ、消え去り、失われてゆくのではないかと。ふと、自分が他人のように思えて来て、自分を見失いそうになるのである。 僕はだれで、何をしていて、どこにいるのかなどと、ふと迷い、悩んでしまうのである。自分は本当の自分ではないように思えてくるのである。自分というのが、自分の中で知らぬ間に忘れられ、失われ、消えて行く。自分が自分でなくなっていて、気がつくと、自分が他人になっている、そんな気がしてくるのである。 |