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だから、やはり水色なのである。これはたぶん空の色なのであって、なにもないのに、あるわけないのに、ふと仰ぎ見ている。いつでもどこでも何気なく見ている、そんな色なのである。 はてしなく遠いかなたの世界へと自分をいざなうような、そんな色である。届かない、それでいてそれへと吸い込まれ、誘われてゆくような、そんな色である。しかも、始めから届かないとわかっている、そんな少しさめた、冷ややかで、現実的で、突き放すような、そしてどこか冷静で理知的な色なのである。 それはまた、水の色ともリンクする。沈んで閉じたような海の底のような色でもある。あるいは氷の色がそうである。山奥の冬景色の空気の色もそうである。はてしなく透明で、透き通るような、そして限りなく純粋な色である。 |
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