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僕には、僕の中でなにかが始まろうとしていて、そして何かが終わろうとしていた。僕というのが、それまでとは別の人間になろうとしていたのである。いま振り返ると、そう思えて来るのである。そしてまた、それを象徴していたのが彼女のヨコ顔だったのである。 彼女のヨコ顔がそれを暗示し、示唆していたのである。それは、僕にとって見れば、未知の新しい世界への示標だったのである。彼女の存在自体がそれを象徴していて、そしてまた、それが僕にとっての彼女の意味だったのである。 示標が指し示していたものとは、彼女の視線が導き示す方向、彼女が見つめていたもののことである。それは、永遠で、はてしなく純粋で透明な世界である。それは僕にとって見れば、彼女にしか持ち得ないと思われた世界である。もちろん、そんなものあり得ないことなのであるが・・・。 しかしまた、それがつまり、僕が見ていた彼女のヨコ顔だったのである。僕が見ていた彼女の、意味だったのである。それはけっして無視できないものであって、逃げることも許されない、、僕にとって見れば、なによりも大切で、貴く、かけがえのないものだったのである。 |
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