index < 日誌 < f衝動< 「まぼろし-a」p4/ |
ずっと昔から水色が好きだった。はてしなく、限りなく、そして届きそうで届かない。それでいてどこか覚めていて、冷たい感じのする色だ。どこか遠くへといざない誘いながらも、それでいて、けっして触れ合うといったことがなく、どこまでいっても一人ぼっちの、そんなどこか気位いの高い、純粋で透明な色である。 自分を今いるところから引き離し、どこか遠くの世界へといざなうような、そんな色。あおぎ見るような、そして、どこまでいっても自分は当事者にはなれず、第三者のままでしかないような、そんな色。あー、やはり一人ぼっちなのだ。 そうやって、いつも遠くを見ていて、それをいつの間にか現実の世界に見ている。そう思えてくるのである。そう感じるし、そうした気配を感じてしまうのである。たゆとうカゲロウの中や、めまいのしそうなまばゆい光の中で。何かが見えたと思えて来るのである。空間が揺らいで軋み、開いて、さ迷いでてくるのである。 |
index < 日誌 < f衝動< 「まぼろし-a」p4/