index < 日誌 < f衝動< 「まぼろし-a」p4/ |
心臓の鼓動が高鳴り、息苦しく、まぶしい。胸が圧迫されて痛く、苦しい。何かを見上げていて、あおぎ見ている。空気が僕を押しつぶそうとしている。神経が異常に敏感になっていて、指先が震えて肌の毛が逆立ち、身体は固まって、茫然と立ちすくんでいる。 まばゆいほどのマブシさの中で何も見えなくなっていて、真っ白な背景の中で空間がゆがみ、そしてそのえぐれた裂け目の中から何かのシルエットが見えてくる。まぶしく息苦しい。僕は何かを求めているのだ。何かが満たされない、自分の中で欠けてた部分があって、それが何かを求めてさ迷い続けているのである。 だから、いつでもどこでも何をしていても、心の中はいつも何かほかのことを考えている。現実にはない何かを追い求め続けている。だからまた、ありもしないことが有るように思えてきたり、どこにでもあるような、どうでもよいものが、そこにしかない別世界の天使やオバケのように見えてきたりするのである。 |
index < 日誌 < f衝動< 「まぼろし-a」p4/