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それは、自分の中でどうしようもなく浮かび上がってきたものであって、しかし、それがいったい何なのかというのは、衝動や感情だけでは何もわからないのである。 それは、まばゆい真っ白な光の中、または、なにもない真っ暗な闇の中から、押し出され、浮かび上がってきたものである。もしもそれが、光の中から現れたなら天使で、そしてそれが、闇の中から現れたなら悪霊なのである。天使なら希望や願い、祈りであって、悪霊なら恐れやおびえ、恐怖なのである。感覚で感じたことが、言い知れぬ感情となって、自分の中で意識されている。 しかし本当はこの場合、反対なのであって、もともと無意識の世界にあった、自分の中の願いやあこがれといったものが、まばゆい光の中で、なにかの感覚のノイズや障害として現れているのである。 そしてその何かが、ノイズを透かして、ノイズの中から見えて来ているのである。ノイズを通して現れ、そして映し出されているのである。何かのイメージや幻想として。何かしら得体の知れないシルエットや気配として感じられ、そして見えても来るのである。 |
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