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1、カタチ。



現実から切り離されて切断された、自分の中にある、未知の理由なき本能や衝動といったもの。

自分でもそれが何なのか分からず、知りようもなく、何か言い知れぬ衝動として沸き起こって来て、自分をとらえて離さない。例えば、はてしのない憧れや、底無しの恐怖といったもの。祈りや願いや不安といったもの。

しかし、それがいったい何なのかというのは「衝動」だけではわからないのであって、それは、なんらかのカタチ、例えば、見て感じる視覚のイメージ、聴覚として感じる身体の振動やリズム、あるいは、触覚や他の五感すべてで感じる何らかの気配のカタチとして迫ってきて意識されなければならないのである。

「衝動」それ自体ではいったい何のことなのか理解のしようがなく、それが理解され、意識されるには何らかのカタチとならなければならないのでる。衝動は、それ自体が意識されるカタチを求めるのである。

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