index < 日誌 < ad< 「新・みずいろ」p5/


 
5、永遠。



あるいは、秋のそらのように、どこまでもいっても透き通っていて、透明な永遠をかいま見るような世界、これもまた水色である。それとか氷の色がそうだし、のぞき込む水面の中の色がそうである。つまり、あくまでもすき透っていて、限りなく透明で、純粋で果てしなく、そしてまた、どこまで行ってもけっして届くことのない永遠の世界なのである。

それは、あおぎ見るような願いと祈りの世界であり、自(みずか)らをかえり見るような、内向的で沈んだ理性の世界である。しかし、沈んだままでいるといずれ壊れてしまうのであって、だからやがて何かしらの願いへと向かう。

願わざるを得ず、願うしかなく、そうしてのみ自らを救うことが出来るのであって、それがまた、あおぎ見る自分自身の心の色なのであって、限りなく純粋で永遠な空(そら)の色、シロ色にほんの少し青の混じった色、「みずいろ」なのである。

戻る。            履歴へ


index < 日誌 < ad< 「新・みずいろ」p5/