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だからまた、優しくおだやかで、どこか何かへといざない誘うような、そんな色なのである。それは自分たち生き物だれもが、そこから生まれ出て来た場所なのである。 いざない、誘い出し、緩(ゆる)んで、ほぐれて、開いてきて、そして何かを求め、何かにめざめるような、そんな「色」なのである。それが水色なのであり、春のそらの色なのである。白いキャンパスの背景に、青がほんの少し混じったそんな色なのである。 しろいろ(白色)とは、光と水のことであって、水が光に反射しているのである。おだやかで優しい春の光と、染み入るような水のうるおい。非常に薄い霧とやさしげな陽光が支配する世界、まさにそれが春かすみの世界であって、つまり、生命が生まれ出る場所なのである。 |
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