index < 日誌 < ar象徴< 「サイン(合図)」p7/


 
1、ひかり。



僕は何かを待ち続けていたのだ。待つ以外になく、他にどうしょうもなく、どうにかなるというワケでもなく、ただ待ち続けるしかなかったのである。何をまっているのかと問われても、知りようもなく、自分でもそれが何なのかわからないまま、どうしようもなく、どうにもならず、だからまた、ただ待ち続けるしかなかったのである。

ワケも理由もわからないまま、あるいはもともと、そんなものは無いのかも知れない。だからまた、自分でもどうにもならず、どうにかなるというものでもなく、どうしらよいのかよいのかも分からず、知りようもなく、だからまた、待つしかなかったのである。そうするしかないのである。

しかしまた、だからこそじっとしていられず、いたたまれず、そのままで居つづけるということが、とっても苦しく耐えられなかったのである。何でもよい、なにかせずには居られなかったのである。

めまいがするし、神経がおかしくなって指先が震えてくるし、息が詰まって息苦しく、見えるものの何もかもが暗く、生彩を欠いた灰色に見えてくるのである。うつむき、内に向かって閉じたまま際限なく沈んでゆく。だからこそまた、反対に、本当の自分の居場所を求めて、明るさや、あおぎ見る陽光を求めてさ迷い続けるのである。何かを求めて・・・。

履歴へ            続く。


index < 日誌 < ar象徴< 「サイン(合図)」p7/