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4、変化の様式。



こうした世界は、人間というのが自分自身を意識することのない世界なのである。意識することも、自覚することも出来ないシステムである。それは意識してはならない世界なのである。意識すればシステムの破壊に向かうから。だからシステムから見ると、それは許せない「悪」なのである。

そしてまた同時に、このシステムに反する「悪」こそが人間にとって本当に求められるものなのである。怠惰と諦め、沈滞と化石化から抜け出す唯一の道なのである。挑戦と自己の変異こそが人間の本性なのである。歴史的存在といえるのである。

つまり社会システムというのは一見、形式的で表面的に過ぎないように見えながらもけっしてそうではなく、本来もっと柔軟で開放的なのである。そうならざるを得ないのである。そうやってこそシステムと体制が維持され、継続し続けることができるのである。またそうやってこそ社会が発展もし前進もしてゆくのである。歴史的存在たり得るのである。

形式という表面のカラ(殻)を破戒してこそ、中から新しい原理と理由がカタチとなって現れてくるのである。


 戻る。            続く。

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