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女の姿はなぜにこうも美しいのだろう。なぜに僕の心を酔わせ、迷わせ、狂わせるのだろう。まぶしく、光り輝いていて、どこか遠くの世界へと導きいざなうように。どこまでも柔らかく、優しく、おだやかに。まるで自分というのが、見知らぬ女の中へ吸い込まれていって、溶けて、同化して、消えて行くように思えてくるのである。 しかしもちろん、そんな女の心の中まで僕は知らないし、知る必要もないし、知りようもない。知らない方がよいし、知ってはならないものでもある。それは、僕とは関係のないことなのであって、僕の預かり知らないことなのである。 それは、僕にはどうにもならないことであって、それは誰か見知らぬ女、だれでもよいし、誰もがそうであるところの、彼女自身の心の中の問題なのである。個人的で、デリケートで、プライベートな世界なのであって、他人たる僕がみだりに立ち入ってはならない世界なのである。(それに、たいてい女の容姿と心の中は、別人格である) |
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