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1、まぼろし。



意識から切り離された無意識の記憶。あるいは衝動や直感といったもの。

そうしたことが思い出され、よみがえる瞬間というのは予測も出来ず、前後の脈絡も欠き、現実から切断された、何かのハズミやキッカケを通して感じられ、思い出されてもくるのであって、これがまさに無意識の記憶が現われる場面なのである。

そしてまた、そこから思い出される内容といったもの、たとえば、その出来事のストーリーや場所、意味や理由といったものも非常に曖昧で、とらえどころがなく、イヤ、むしろ、そうした事実関係から全く切り離された記憶となっている。

確かに何かの記憶のカケラや痕跡としては理解もできるのであるが、はたしてそれが何だったのかというのは、どうしても思い出すことが出来ないのである。

だからまた、思い出されるといっても、それがはたして何だったのであり、どうしてなのかといった理由が、いつまでたっても不明でわからないままで終わるのである。現実の中に現れて、見えているのではあるが、現実とは全然別の世界の「まぼろし」のように感じられてくるのである。いつの間にか気づかないままで、現れては消えてゆく、幻覚や夢の世界のように思えてくるのである。

履歴へ            続く。



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