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2、自意識。



しかしまた、いや、だからこそ、こうした無意識の意識されざる感覚の記憶といったものが非常に重要なのである。なぜなら、それは現実世界の都合や理由、あるいは、その必要から解放(又は追放)されたところにある、自分自身のホントのすがたを見ているからである。

それは自分自身の中にあって、自分自身の中に住んでいて、巣食っている、自分自身の純粋な記憶なのであって、現実から切断されたところに存在している、自分自身の歴史や神話とでもいったものだからである。そうやって自分で自分を見ている、そして感じている。そしてその主体は自分自身そのものなのである。

現実に生きている自分というのは、様々な利害関係や上下関係というキズナの中で生きていて、また、そうしたキズナの中においてこそ生きて行くことが出来るのであって、また、そうして自分というのが感じられても来るのであるが、無意識の世界というのは、そうした現実の世界とは別の世界を生きている自分自身の観念の世界、自意識の世界なのである。

そうやって、自分が自分に意識されるのであって、また、自分が他人と違う存在なのだということも分かってくるのである。現実とは別の世界を生きている、他人のような自分を感じているのであって、それが自己意識の世界であって、正にそうしたことが自分自身の、そして社会全体の発展の原動力となっているのである。つまり、個人の個性、内的自律性といったものだからである。

戻る。            続く。



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