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6、ぼやけた表情。



自分自身の感覚といったものが、何か勘違いされていて、作りもののニセモノの感覚が現実を支配して、求めやすくなっている。どちらが本当の感覚なのかわからなくなっている。

どこかで自分が、現実から切り離されて切断されている。感覚と肉体が切断されて、自分が誰かわからなくなっている。肉体から精神が切断されて、追放された。どこかで、自己の同一性が壊れている。自分で自分がわからなくなっている。自分が限りなく現実から離れて行く。自分の感覚が、自分のものではなくなっている。

なにかを感じたとしても、それはカネもうけのための、意図的に、見せかけだけのために作り出されたものであって、本当の現実とは別の感覚である。自分が生きている現実の裏付けのない、理由も、根拠もない、形だけの感覚である。

中身がなく、外面だけで内面がなく、表面上の体裁だけの感情表現である。人間の顔の表情といったものが、マンガの世界のように上辺だけの、おおげさなだけのものになっている。あるのは、感情の表面的な形だけであって、心の中というが何も見えて来ない。無いのかも知れない。

自己意識というのが無いのだろうか?
自分の考え、自分の良心、けっして譲れない神聖不可侵の、自己の精神の領域というのを持たないのだろうか。それとも、ただ知らないだけなのだろうか。ただ、外から刺激されて動くだけの、みずからの考えでけっして動くことのない、人間の顔をしたロボットに過ぎないのだろうか。

戻る。            続く。



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