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それでいて、空気はいまだ冷たく、日陰では寒さがまだ十分に残っている。だから、身体(からだ)がじっとしていられない。いまだ冷たさの残る肉体表面と、外の暖かい日差しが、何かを求め、それが目指すところを探している。 肉体のなかから緩(ゆる)んできて開いた何かが、外へ出ようとしているのである。肉体のなかの奥底から押し出されて、浮かんで来て、なにかが映し出されている。それでいて、自分の外からも導かれ、誘いだされるように。 カラダ(身体)が優しげで暖かい、外の光と明るさを求めて出ようとしている。自分のなかで閉じていた何かが緩み、そして開き、そして何かへと向かおうとしている。それは自分の中にある指向性であり、自分でも得体が知れず、コントロールも出来ない衝動とでもいったものである。 |
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