index< 日誌 < ag儒教 < 18-326 「信じるもの」p/4 |
ヘーゲル(1770-1831)によると、 東アジア社会の特徴として、精神の「絶対的存在」というのが、道徳の規範や、永遠の正義や、そしてそれを行使し保証するための「権威」として現れてくる、というところにある。今日の北朝鮮では、これを「最高尊厳」などと言っている。また、戦前の日本ではこれを、「現人神(あらひとがみ)」と言っている。 すなわちそれは、内面的・精神的に自立してはならないということである。自律した感覚や情緒を持ってはならないということである。自分で考えて行動してはならないということである。 したがって、このようにして、ここから、自己の内面と関係のないところで、精神の絶対的存在が現れてくる。これが道徳や正義の暗黙の強制力、言い換えれば、みんなの意志である。それは、現れて来ざるを得ず、現れて来なければならず、そしてそれが現れる場面というのが「みんなの意志」なのである。 |
index < 日誌 < ag儒教 < 18-326 「信じるもの」p/4