index< 日誌 < hgヘーゲル  <  18-328「意識する」p9 


 
9、憑りつき。


目に見える自然の表面的で外面的なカタチと動きのなかから、それをカタチ作りうごかしている、原理や必然性といったものが見えてくるのである。つまり、現実というのを、自分にとって理解できる合理にかなったものとして、自分自身の観念の世界の中で描いて見ているのである。自分の頭の中で再現して見ているのである。

そして、それはまた同時に、自分自身の精神の世界の中で分裂している自分自身のことなのである。それは、自分が自分を認識している、そうした自意識の世界なのである。精神の分裂が、自分で自分の心の中が見えるようにしているのである。

自分が自分を見ている。自分で自分を意識しているのである。そうして、自分にとって都合の良い世界を頭の中で作り出しているのである。そして、呑まれて、吸い込まれて、憑りつかれて、乗っ取られてしまいそうになる。だから、さっさと逃げなければならない。それも何気なく、さりげなく、何ごともなかったように離れなければならない。

戻る。               履歴へ


index < 日誌 < hgヘーゲル  <  「意識する」p9