index< 日誌 < ar象徴 < 18-331「歴史的現実」p6- |
もちろん、それと結びついた人間の価値観や正義、常識といったものもそうである。その時代を生きる人々にとっては、それが変わることのない普遍的なものとして感じられているが、決して普遍的なものでも、絶対的なものでもないのである。 そしてそれがバランスであり、秩序であり、安定であり、歴史的現実なのであって、人間が現実に生きている必須の条件、前提なのである。 そしてまた、そうしたことが人間の生き方や考え方を無意識のうちに規定していて、そして、誰もがそれへと向かい、集まり、繋がって行くのである。世間でいう「認められる」とは、このことなのである。そしてこれが、そうした社会での出世と進歩の条件になっているのである。そして、そうでない者は、歴史という現実の世界から忘れられ、排除され、消えて行くのである。 私たちが生きている時代とは、現実のことであり、「現実」とは、人間がかかわりあう世界のすべてのことなのである。要するに、この現実を離れたところに人間は存在し得ず、こうした歴史的現実を私たちは「時代」と言っているのである。人間が時代を越えることも、離れることも出来ないというのは、このことなのである。 |
index < 日誌 < ar象徴 < 18-331「歴史的現実」p6-