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1、神経障害。


実際にない物が見えたり感じたりするのは、おかしいし異常である。しかし、たしかに感じるのである。それは僕にとってみれば、どうにもこうにも仕方のないことなのである。

現実の世界のなかに、だれか、見知らぬ者の強烈な意志のようなものを感じてしまう。理路整然としていて、体系的で不変の法則のようなもの、たとえば万有引力の法則とか、光りの反射とか、そうした物理法則は当然なのであるが、問題は、そういう物理法則を動かしている強烈な意志のようなものを、感じてしまうということなのである。

見える現実世界のなかに、それとは別の、潜在的な誰かの強力な「意志」のようなものが宿っている、そう思えてくるということである。そして実は、これが現実のすべてを支配している、そう思えてくるのである。これでは神経過敏だし、精神異常、神経障害と言われても仕方がない。

しかし、本当は反対で、何も感じないというのが、おかしいとしか言いようがない。神経がおかしいと言わざるを得ないのである。

履歴。                     続く。


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