index< 日誌 < l見えないもの < 「見えないもの」p8- |
たしかにそれは意志ではないのだろうけど、意志みたいなものを感じてしまうのである。しかしこれはよく考えてみると、仕方のないことである。 人間が生きている現実というのは、それが人間と世界とのかかわり方なのであって、またそれが、人間が知り得る、そして経験し得る世界のすべてであって、またその限りにおいて人間なのであって、人間であると言えるのであって、そしてまたそれが、人間と現実世界とのかかわり方なのである。 従ってまた、こうした現実を離れたところに人間は存在せず、存在することもできず、また、存在し得ないのである。そうした意味で、人間は現実の世界に支配され条件付けられているのである。 そしてこれをもって、バランス、あるいは秩序やシステムなどと言っているのであって、このような「囲いの中」や枠組みを離れたところに人間は存在しないのである。 それは、人間の存在の条件であり、あらかじめ定められた秩序なのであり、人間が生きて存在して行くための、規制され条件付けられた方向性なのである。地球という環境の中であらかじめ敷かれた、このレールを離れたところに、人間が生きて行く可能性というのが、もともと無いということなのである。 |
index < 日誌 < l見えないもの < 「見えないもの」p8-