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7、みなもと。


これが人間にとっての現実なのである。あるいは、同じことであるが、こうした現実を時間の流れのなかで見ると、「時代」ということになる。ということはまた、このような現実、または時代を離れたところに人間は存在しない、ということなのである。人間という概念は成り立たないということである。人間的な感覚も、生き方も、考え方も、成り立たないということなのである。

それは、それが現れる現実の世界の条件や環境、歴史によって制約され方向づけられている。これが現れる出る、背景や「舞台」とでもいったものなのである。舞台とは、それぞれの地域の自然環境であり、文化のことである。そしてこのような、時代の歴史的制約のなかで人間は生きていて、そしてまた、そうした条件の中でのみ、自らを表現し得るのである。

しかしまた、そうしたことの、より根源的な原因になっているのは、主体としての人間自身が持っている感覚の、直観や、衝動、本能とでもいったものである。それは肉体の反射作用であって、馴れや適応、習性とでもいったものである。そうした原始的な神経と生理の作用、そして情緒の自律性といったものである。

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