index< 日誌 < y肉体 < 18-336「肉体のタマシイ」p13- |
これは生物としての人間が、その肉体内部の、自分の意識とは別のところで、際限なく繰り返されてきた神経と生理の作用の結果なのであって、そうしたことが重層的・複合的・横断的に複雑にからみあい、そしてそれ自体で一つのリズムのパターンを作り出しているのである。 つまり、これが個性なのであって、個人あるいは民族としての集団の、固有の情緒のあり方を作り出しているのである。そして、こうしたことが精神と情緒の自律性の根底にあって、そして、主体としての固有の感覚や衝動といったものを生み出しているのである。そしてまた、そうしたことが始めから自分のなかにあった、「本能」のように思えてくるのである。 しかし実は、これが自己と他者を区別する境界線なのである。魂(たましい)であり、内的同一性の根源にあるものなのである。それは、自分自身の肉体内部に対する、自分自身の感覚なのである。 それは、自分の肉体内部から感じられてくる、かゆい、息苦しい、めまい、嘔吐、といった自分自身の肉体内部に向けられた自律神経の営みであって、そこから自己の、感情や情緒といったものが感じられているのである。 そして、それは同時にまた、他人と区別される自分自身の精神の領域なのであって、自分にしかない、自分だけの、自分が自分であるという明確な輪郭と、そして、その神聖不可侵の、自己の精神の領域を示しているのである。 |
index < 日誌 < y肉体 < 18-336「肉体のタマシイ」p13-