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10、信じるもの。


それ以外になかったのである。というのが、こうしたシステム固有の自律性なのである。なぜなら、もしもそうでなかったならば、いまある現存のシステムは、多少とも現在と異なるものになっていたであろうからである。

だから、このシステムとっての存在の現実性というのは、これ以外になく、そうしてのみ自己を、現実のシステムとして存続して行くことができたのである。そしてこれこそが、いま生きている自分たちの存在の条件となっているのである。

だからまた、それは、人間にとってそのように思わなければならないものであり続けたのである。そうでなければならないもの、そうあるべきもの、そう思い込み、信じ、願わなければならないものであり続けたのである。

そして、そう信じることが、そこで生きる者にとっての個性であり、傾向であり、生きて行くための方向性なのである。それ以外に無いのである。そして、これを倫理や道徳、正義といっているのである。

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