index< 日誌 < e神々 <  18-351「憑依」p6-


 
5、けはい。


心の奥底のどこかで、そうしたことをいつか感じたことが、あるのではないだろうか。しかしそれは、あってはならないことなのだ。人間には、知ってよいことと、知ってはならないこと、意識してはならないことがあるのである。それがこの、さ迷えるタマシイの世界なのである。

人間は、いつも何かを求め願い、祈り続けている。何かしらの救いを求め欲している。だから、あるはずのないものが見えてきたり、聞こえてきたり、あるいはそうした気配といったものが感じられてくるのである。もともと、そうしたものが自分のなかにあるのかも知れない。

自分自身がそれを求めているのである。しっとりした、肌をなでるような、なまあたたかい人の気配のようなもの、あるいは、優しくささやきかけ、包み込んで溶けてゆくような、そんな気配や肌ざわりといったものを感じたことがないだろうか。

戻る。                         続く。


index < 日誌   e神々 <  18-351「憑依」p6-