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3、ほろぶ。


そうした意味で、自分の精神の中にあある、未知で得体の知れないものというのは、自分にとっての財産でもあるし、自分自身の主体としての無限の可能性を示しているのである。

そしてまた、だからこそ、様々な場面や、様々な予測できない不意の状況の変化の中においても、それに適応し得る可能性を示しているのである。

それは個人についてだけでなく、民族や種についても言えることなのであるが、それは、その人にしかない個性であり、交換不可能なその人にしか価値なのである。そしてこれが、「オリジナル」なのである。

しかしまた、それゆえに、状況に適応できずに「滅ぶ」といったことが十分にあり得るのである。もちろん、適応する場合もある。こうしたことが人間が生きていることの現実なのである。

しかしまた、これが無くなれば、自分が生きている、自分のリスクと自分の可能性の下に、自分で生きているとは言えないのである。それは、自分で自分を生きている証明であり、証拠なのであり、理由なのである。

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