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秋というのは、まぶしく明るい夏から、暗い冬へ向かう途中であって、光の明るさの不足というのが、より強く感じられ意識されてしまうのである。もとから暗いのではなくて、明るいところから暗い所へと移って行くので、暗さというのが一段と感じられるのである。 こうしたことは、冬から春への季節の移り変わりの途中でも言える。夏ほどの強い明るさでもないのに、景色というのを明るく感じてしまうのである。そして、夏が近づくにつれて感覚自体が馴れて来て、そして飽和して、全体におおい尽くされて、そしていつの間にか特に何かを感じるといったことが無くなってくる。 それでもやはり、まぶしいと感じられるのではあるが、それはそれでどうにもならないこと、仕方のないこととして、気にもならなくなり、忘れられ、特に何かを感じるといったこともなくなる。感覚は、明るさそのものというよりも、明るさの変化に対して反応しているのである。 このようにして、たとえば秋にはそれが、薄暗く感じられてくるのである。 |
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