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こうしたことが人間の、そして民族や国民の、あるいはそれらに共通する「種」としての、気質や気性の根底にあって、そして、それがたどってきた歴史の際立つ特徴や傾向の原因になってる。 もちろん、そうした場合それは、信仰や政治システム、文化や芸術についても当然、そう言えることなのである。そして、そこから離れたところに自分というのがあり得ず、また、そのようにしかなれないのである。 そして、そこから離れたとき、それは、自分が自分でなくなるということである。自分が何か、自分以外の他の者になるということである。自分自身の根源と拠り所、そしてまた、自己の魂(たましい)といったものを、新たに見つけなければならないということである。 自己の自意識が見失われそうになって、自分が誰なのか分からなくなる。そしてこれを民族について見ると、民族が民族として無くなるということを意味している。民族というのが、他の民族に吸収されるということである。しかし、歴史を見ると、必ずしもそうにはなっていない。吸収されてもなお、生き続けている。それは、それほどに根深く、そして本質的なものなのである。 |
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