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3、バランス。


しかしまた、より深刻で本質的な違いもある。意志が優先すか、情緒が優先するかといった違いである。もちろんそうした違いは、そのどちらもが大事なことなのであるが、それらが時と場所によって優先度だ違ってくるということなのである。

言い換えると、そのどちらもがあって、互いに協力し合い、あるいは反発と対立し合っていて、そうしてそれが始めて一つの全体としてバランスされている、ということなのである。

すなわち、そのどちらの片方の一つだけをとって見ても、不釣り合いでアンバランスなのである。従って、そのどちらもが相手を必要としているのであって、そうして始めて自分を意識し確かめることが出来ているのである。

他者の居ないところに自己など存在せず、このような自分と他者との区別に基づいて、自己の自律性と同一性が成り立っている、ということなのである。そしてまた、そうして自分というのが自分に意識されてくるのである。自分が自分として自分を意識することが出来るのである。

こうしたことが女と男の間にも言えるのではないだろうか。

戻る。                      続く。


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