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6、つながり。


もちろん、純粋に個人レベルで見ると、個人が、社会や現実から隔離され切り離された所で、そうした妄想や空想自体が、それ自体として成り立つのかも知れない。

しかし、この空想自体が、現実世界との対比の上に成り立っている以上、そしてまた、個人というのが、いくら空想してみたところで、それが社会や他人とのつながりの中での「空想」にならない限り、それは空想にならないのである。空想であるとは言えないのである。

何かの、イメージにもならないワケの分からない感じ方に過ぎないのである。ノイズや、不具合や、錯乱、不安定な情緒の流れの一つに過ぎないのである。いずれにしても自分だけの無意識の世界のなかで忘れられ、失われ、社会との、そして自分にとっても何らかかわりのないものとして、消えてゆくだけである。

しかしまた、だからこそ、そうしたことが自分でも知らないところで堆積されて行くのである。無意識の世界がそうである。これが無意識の世界なのである。そしてこの無意識の世界を舞台にして意識の世界が繰り広げられて行くのである。意識とは無意識の世界の反映であって、この無意識の世界が作り出したものなのである。それは、表に現れる意識の背景であり、下地であり、条件なのである。

戻る。                        続く。


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