| index＜ 日誌 ＜ z自意識＜ 18-368「続、肉体の理由」p14- |
| だからまた、このような社会にあっては、自意識といのが、自分の周りの集団の中だけの関係に終始するのであって、自分で自分に問いかけるといった、自律した自己意識へと掘り下げられることがない。 また、それが自己の内部での完結した世界を作り出すといったことがなく、そうした必要もなく、それが求められることもない。だからまた、それが自覚されることもない。そうならざるを得ないし、そしてまたそれが、定められた社会のあり方、その社会のルールやマナーといったものなのである。 しかしまたそれは、意識されてはならないことなのである。それは、自分を取り巻く社会に対する、はてしのない疑いへと自分をおとしめて行くことになるからである。自分自身に疑いを抱いてはならないのである。 だからまた、自分で自分を見てはならないのである。しかし、そしてまた、このような理由から人間は群れるし、その集団の中の、その秩序と上下の関係の中で自分を見い出そうとするのである。 そうならざるを得ないし、そうしなければならない、これが秩序であり、習慣であり、常識なのである。そしてまた、自分たちの正義なのである。これはシツケであり教育なのである。そして、ただそれだけが、自分を自分として自覚させてくれる、そうした世界を生きているのである。 |
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