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7、いましめ。


そうして、自分の中にあるものとしては、このような他人の中の自分、そしてそのなかで自分が上か下かの関係だけとなる。これは、自分で自分を意識するといった、自己意識が曖昧でボンヤリしている世界では仕方のないことなのである。

そして、だれもこのような面倒くさく、そして恐ろしいことを、自分から進んでしようとはしないし、する必要もなく、また、したいと願ってもそれが出来ず無理な世界を生きている。それは、自分にとってホントに恐ろしいことなのであって、そうした、自分で自分をのぞき込むといった事はしないのである。自分の存在そのものに疑いを抱くようなことは、しないのである。

これはタブーなのである。それは、人間が生きている社会という「囲いの中」の世界を意味しているのである。だれもそこから出て行くことがないのである。出て行ってはならないのである。また、出て行くことが出来ないように出来ているのである。ちょうど人間が、その生きている時代という現実から離れて生きて行けないようにである。

戻る。                      続く。


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