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2、条件反射。


しかしまた、このような錯覚と誤解の世界だからこそ、それがイメージや象徴、そして思考や意識といったものを生み出しているのであって、また、それができるのである。

意識や思考自体が、偶然の錯覚が生み出した空想の世界だということである。そうだとすると、このような意識自体に何の根拠もないのであって、そうした偶然の錯覚だけが支配する世界を人間は生きているのである。

しかしまた、この意識の世界の偶然の錯覚というものが、なんら根拠のないものであるとしても、それは自分自身の感覚がもたらしたものなのである。そしてこの感覚自体は、現実の世界に根ざし、現実と直接に関わり合う自分自身の、情緒の世界が生み出し作り出したものなのである。

それは、イメージやカタチを持たない、それ以前の情緒の世界なのである。錯覚や誤解といったものが生じようのない、それ以前の、それとはかかわりのない世界なのである。それは、自己の体内の神経と生理の作用がもたらす条件反射の世界なのである。

戻る。                 続く。


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