| index＜ 日誌 ＜ as同一性 ＜ 18-377「続、偶然の錯覚」p5- |
| もちろんそれは、本人が生きている世界の中で、本人自身の偶然の錯覚がもたらしたものである。しかしまた、この偶然自体が、本人にとっての存在の必然性となっているのである。それは本人から見れば偶然の出来事であっても、社会全体から見れば必然の結果なのであって、そうとしか言いようのないものなのである。 そうした出来事に彼が遭遇したのは、確かに偶然の出来事なのであるが、しかしそれは、誰でも良いのではあるが、誰かが遭遇しなければならない、システム全体からの必然の要請なのである。 従って、だれかがその役を演じなければならなかったのである。それは、個人という彼の立場からすれば偶然であるが、社会全体の成り行きから見ると、やはり必然で避けることの出来ないものなのである。 |
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