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2、区別。

だからまた、意識されてはならず、意識しようもなく、意識されることがないものなのである。これは、そうであるはずのもの、そうでなくてはならないものなのであって、論理の成立の前提になっているものを言っているのである。

それは、人間が知ることの出来るもの、感じ得るもの、経験し記憶し得るもの、そうした観念や思考の世界で、自分で自分を意識することの出来るものの、限界と境界を定めたものであって、そしてまたその境界線を示しているのである。

それは、自分自身の肉体とその感覚が知ることの出来る、その範囲と境界なのであって、そしてそれはまた、自分の精神の領域を示しているのである。そして、それはまた同時に、自分と他者を区別する境界線を定めたものでもあって、そしてそれを表示しているのである。

そしてここで、自分自身と他人との区別が見い出されているのである。自分は自分である。自分は他人と違う、別の者なのだ。そうやって、自己と他者、自分と自分でない者とが明確に区別されるのである。こうした区別なしに、自分自身というのは成り立たないのである。

戻る。                     続く。


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