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| つまり、なにが言いたいのかというと、人間というのは、そうした自分が生きている精神の領域の境界を、無意識のうちに出たり入ったりしている、ということである。越境して密入国をくり返している。そして、これは無意識の世界であって、意識されるということがないのである。 だからまた、それがだれか他人のことようにも思えてくるのである。自分のことなのに、自分のことでないように思えてくるのである。不思議で不可解な、何のケジメも「とりとめ」もない理解不可能な世界を生きている。 なにか異界の別世界の出来事のように思えてくるのである。まるで、夢の中の世界のようにである。そして同時に、これが無意識の世界ではないだろうか。 |