index < 日誌 < 2018 <夢の中<18-43「背景色」


 
2、見える。



もしかすると夢で色を見るというのは、人間の目にとっては、とても疲れる作用なのかも知れない。あるいは夢の中では色は普通、意味を持つことがないのかも知れない。だとすれば、それはそれなりに意味のあることで何か特別の理由があるとも思えてくる。

夢の世界とか無意識の状態とは、なにかの隠れた意図とか欲求、衝動みたいなものが心の奥底にあって、それらが何らかの象徴の輪郭として現れたのである。そしてそれがいったい何なのかという意味の手がかりがない限り、色は見えてこない。人間は自分にとって意味のないことを思い出したりしないのである。

理由があって初めて色を見るし思い出しもする。何か意味があって始めて、色を区別したり識別したりしているのである。それは、自分で自分の中を見ているのである。正体不明の自意識が、夢の中で目に見える世界となって現れている。


 戻る。              続く。

index < 日誌 < 2018 <夢の中<18-43「背景色」