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2、衝動。



なにもないのに混とんとしていて、わけもわからず入り乱れてまったくつかみどころのない世界。だから何ら規則性のない「まだら模様」である。しかも常に変化していて、ただよいながら移ろいでいる。

そしてそれらが、どこかでつながって何かの線が強調されてきて、それがやがて輪郭となり模様となって、何かのシルエットとかカタチのように見えてくる。意識の中をさ迷う何か得体の知れない本能とか、衝動とか感情といったものが得体の知れないイメージとなって目の中に浮かんできているのである。

はたして、これはいったい何なのだろう?
自分で自分がわからなくなってくるのである。これはきっと何かの記憶なのだ。それは意識とか頭の中の記憶ではなくて、肉体の感覚だけに保存されてきた、言葉にならない何らかの忘れられた記憶なのである。だからそれが何なのか自分でもわからないのである。知りようがないのである。

得体の知れないそれが本能的な衝動や激情として自分に迫て来て、そしてタマシイを浸食して行く。そしてこうしたことは、まさしく「肉体の記憶」としか言いようがないのである。だからイメージにも言葉にもならない情緒的な衝動としてしか現れてこないのである。そして、たしかにそうなのである。


戻る。            続く。

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