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4、カガミの中。



もしも人間が、ホロスコープ(万華鏡)の鏡の中の世界に生きているとしたららどうだろう?その中で生き続けている人間にとって、世界が鏡(カガミ)の中にあるとは、けっして気づくことがない。

なぜなら、その必要もないし、それを知らなければならない理由もなく、そしてまた、そうした無意味なことに興味を持つことがないからである。それどころか、そうした無意味なことに興味を抱く人間は、どこか変わった変人、または、脳ミソが狂っているか、心に何かやましい悪いことをたくらんでいる人間と思われる。

このような、社会の常識に対する当たり前でわかりきったことに戸惑い迷って疑惑を抱いている人間、それは社会の根本や、社会を成り立たせている原理そのものに疑惑を抱いているのと同じであって、またそのように見なされる。

これは言い過ぎではなくて実際に、本当にそうなのである。常識に、あるいは社会の上下の関係に疑惑をいだいていることは、社会の原理や、その基本システムに疑惑をいだいている人間のことなのである。


戻る。            続く。

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