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3、戸惑い。



例えば、地球自体が閉じている。外に対して開いてはおらず、群れて集団化して閉じている。そうした意味で日本という島もまた閉じている。中国も、ヨーロッパも、アメリカもまた閉じている。空間的に閉じているだけではなく、歴史も文化も閉じている。民族とか文明という概念自体がそうなのである。

たしかに地球上では船もあるし、飛行機もあるし陸路だってある。だから、それぞれの民族あるいは文明というのがまったく孤立しているとは到底いえない。

人間も動物も、空気や雲だって行ったり来たりしている。でもそんなことは実はどうでもよいことだ。問題となっているのは、文明という「原理」そのものなのである。文明を成り立たせ、その原動力となって、それを秩序だて、規制し方向づけている、その文明の「原理」というものが問題となっているのである。

いったい何がいいたいのか単刀直入に言うと、文明は、そしてその文明の「原理」は一つではないということである。様々な地域において、そしてまた、歴史という時間の流れの中で、異なる文明の原理が働いているということである。そして錯綜し入り乱れて、交流したり拒絶したりしている。そして、そうしたことが個性というもので、もともと異質な原理なのだということである。


戻る。               続く。

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