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なにげない日々の暮らしの中で生きている、習慣や常識、そしてまた自分自身の生き方といったもの。フツーの当り前のこと。そうしたことが現実の中で死んでしまった。本来、自分自身の中の問いかけとしてあったものが、ただひたすら外から強制されるだけのものになってしまった。 そしてこうした状態を当然のこととして、だれも疑いをいだかなくなってしまった。自分自身というのが見失われている。知る必要のないものとなっている。自分自身の理由を喪失している。自分がだれなのかわからなくなっている。何かもっとも大切なものが失われてしまった。 アイドルの女子に見る何かそうした言い知れぬ違和感、不思議で不可解な世界。あるいは日々の当たり前の出来事として通り過ぎてゆく、なにげない暮らしのなかで垣間見る、なにかズレてヌケたような違和感。カタチだけあって中身はいつもカラッポという間のヌケた感じ。 まるで空洞のスイカ、閉じたカラッポの弁当箱。まるで夢のなかを生きている感じ。現実が映画館で見るスクリーンの世界のように、自分とは別世界のように思えて来るのである。 外面のカタチだけがあって、その中身というのがいつもヌケている状態。そうしたことがアイドルの女子に見る、なにかいい知れぬ違和感の正体ではないだろうか。現実が不可解であり得ない他人の夢の世界のように思えてくるのである。 |
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