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もしも、夢というのをこのような自分自身の非現実的な、思いつきと気まぐれだけが支配する気ままな感情の世界だとすれば、私たちが生きている現実の世界といったものも、これと非常によく似た世界だと言える。まるで、夢のなかから現実が出てきたような世界である。 だれもが気まぐれで、自己意識というのが非常に希薄で、自分の考えというのを持たず、自分自身に対する責任にまったく無頓着で、むしろ逃げることばかりを考えて行動する。自由という名の思いつきと気まぐれの現実逃避の世界を生きている。それは逃げ場のない永遠に自己内循環を繰り返し続ける、真の変化は絶対にあり得ないカガミの中の世界である。真の現実はこの鏡(カガミ)の外にあるのである。 自己と他者の区別がなく、発展も後退もない。同じことが永遠に繰り返されるだけの世界。それは、時間という概念の存在しない世界でもある。だから、そこから出て行くしかないのであって、そうやって初めて本当の自分が見えてくるのである。 それは自己と他者の境界線であって、自分というのを外から客観的に見ることができるようになって、初めて気づくことになるのである。言いかえると、それがプライバシーであり、人権であり、人格なのである。自己というのがめざめて、自覚され、自立するのである。 |
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