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テレビや新聞といった、いわゆるマスコミといったもの。つまり、権威といったものが全くの偽善と化している。権威は自分のすべてを食い尽くして自殺してしまった。残っているのは、もうろうとしたワケのわからないヌケガラだけである。 あらゆる内実と実体というものを欠いた、このヌケガラだけで成り立つ世界。それだけでゴハンが食べてゆける世界。内容といったものがなく形式だけが支配する世界。体裁と見てくれだけで、ただたんに表面を撫(な)でるだけの、外面だけで何もかもが評価され、識別され、規格化されてしまう世界。感情や人格でさえそうである。 あるのは個性を消失し、ただたんに標準化・共通化された外形だけであり、規格化され量産化された「見てくれ」だけである。そしてその中身については、誰も、何も問わない。不問である。不問でなければならない。だれよりも自分自身がそうなのだから。 そんなわずらわしく、うっとうしいことにはだれも立ち入らない。入ってはならないのである。知る必要もないし、知ってはならないし、知ることもできない。それはそれ以前に、自分自身にないものなのである。だから、、気づくこともないし、気づくということ自体がおかしいのである。それは、気づいてはならないことなのである。 |
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