index < 日誌 <u. 日本。<18-75「条件」 |
日本は大陸からほんの少し離れた島であり、それも少し大きな島で、大陸相手では少し実力不足ではあるが、反対に大陸からの侵略に対しては、それを拒絶し反撃する実力のある国なのである。それに誰も世界のはずれの行き止まりに攻めて来ようとはしなかった。そういう地政学的に魅力のある場所でもなかった。 日本は大陸から見ると、そこから先は何もない、いわば「村はずれの行き止まり」に過ぎず、朝鮮半島やモンゴル、ドイツに見るような大国に挟まれ、大国がどうしても欲しがるような交通の要衝や橋頭保、通り道でもなければ、そしてまただからこそ、自らが打って出なければ、いずれ大国によって自らを消滅させられるといった、現実的かつ深刻で切実な状況にもなかったのである。その必要も、またそれが要請されることもなかったのである。 それに仮に外国で何をやらかそうとも、日本にまで帰ってくると、だれも追いかけては来なかったのである。報復を目的に集団で日本にやって来たとしても、またそれ自体も海で阻まれて大変なのであるが、それでも日本にはそれを追い返す実力は十分にあったのである。 もちろん20世紀のアメリカによる統治が少しあったけれども、大陸に見るような植民による政治的支配はなかった。島という閉じた文化の特性がそれを非常に難しいものにしているのである。 |