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4、半島。



さらにもう一つ、これをドイツや朝鮮半島についてみると、観点や考え方は異なるけれども、やはり同じことがいえる。例えば朝鮮半島は小国であるけれども、ロシア人にも、日本人にも、中国人にもなれないのである。

もしもこのような民族の同一性ないしタマシイといったものがなければ、中国や日本の延長に過ぎないものとなる。自身の独自性も同一性も、そして何よりも「主体」そのものを喪失してしまう。

何やらワケのわからないものになって、得体のしれないことになって、だれからもそのように見なされ、そしてそのように扱われる。人間にとっての根源を失う。自分自身の存在の証明を見失う。自分が誰か分からなくなって他人から見てもやはり正体不明の人間として扱われることになる。隷属とはこのことである。

これは例えば、戦前の日本人が半島出身者に見なした考え方がそうであった。わけがわからない、何を考えているのか分からない正体不明の、かかわっても相手にしてもならない人間としてみなされる。


戻る。               続く。

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