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1、逆光と順光。



逆光では、背景が白っぽくかすむ。物の外部輪郭線(境界部分)が、白っぽくあいまいになってボヤける。これに正面に向かって光を当てる(順光)と、ものの表面が明瞭かつ鮮やかに映し出される。

それはちょうど、真っ白な背景の中から押し出されて浮かび上がってきたもののように見える。事実、そうとしか言いようがない現れ方である。もの(被写体)の外の輪郭線が消えて、中の表面が外に向かってあらわに映し出されている。ちょうどそれを見ている者に向かって迫ってくる感じである。世界が半透明になって、白い現実から内面だけが浮かんできて見える、ちょうどそんな感じになる。これが逆光と順光を同時に照射した時の、もの(被写体)の見え方である。

外面が見えない。外面と内面の境界線が消えている。外部輪郭線が消えて無くなっている。内と外を区別するのが何もない。外面が消えて、現実から現実を無視して、透過して、精神だけがむき出しになって迫ってくる。表面の中身だけが見えている。それも、明瞭にハッキリと。そういう感じになる。

戻る。            続く。

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